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もみの木ブログ

「まるまど文学館」広報誌 http://marumado.syarasoujyu.com 投稿されたコメントは、管理人が承諾するまで表示されません。しばらくお待ち下さい。 A contributed comment don't appear until a manager consents. Please wait a moment.

第1章 ルシャナ 6-10(4/21追記)

6.生き方の指針

 宇宙感覚は、人の生き方の指針であり、苦しみを少しでも軽くする手段であって、宗教ではない。人それぞれが異なる信仰を持つことも邪魔立てしないし、拘束する必要もない。
 たとえば、秋の月夜の静かな湖面に、木や竹や葦でできた船が浮かんでいるようなものだ。船はどのような材質であっても水に浮かべば良い。人が水の中に落ちて溺れるのをなくしてくれるのが宗教で、漕ぎ方を楽にするのが宇宙感覚なのてある。

7.五つの特質

 まず寛容であれ。
 慈悲深くあれ。
 公明正大であれ。
 忍耐強くあれ。
 細やかであれ。
 これらは時に困難かもしれない。しかしこれらを具えて生きることは幸せなことである。

8.社会の秩序

 世の中にはさまざまな生き方がある。罪を行う人もいる。国同士が戦争をしてきた歴史も我々にはある。しかし、人の命を利己的な理由で奪ったり、国家の秩序で死刑に処したりするのは、自然の”生命”に反する。
 社会の秩序としては、軍隊によらず警察などの司法権によるのが理想と考える。刑罰の最高刑は終身刑とし、奉仕活動やものづくり、説法などに触れさせるのである。
 そうしていれば、何が真の喜びに繋がるかに人は気づくであろう。

9.思考は言語に依る

 人はものを考えるとき、必ず母国語で考える。その過程において、言語の文法的構成が思考に影響してしまうのである。
 文法上、必ず主語を立てなければならない構成の母国語の人と、主語がなくても成立する構成の母国語の人、音の高低で意味をなす構成の母国語の人、それぞれの考え方が異なっても、それは自然であって、個人ひとりひとりの問題ではない。
 ここに、寛容の必要性が生まれてくるのである。

10.未来に

 私の死後、決して私を信仰の対象にしてはならない。直弟子だの派閥がどうだのという差別や争いごとが起こるのも私の本意ではない。願うは人々の幸福それのみである。
 もしどうしても”救い”を求めたいときがあれば、宇宙の”法”を思って手を合わせなさい。

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英語でのコメントについて

最近、拙作「ルシャナの仏国土」に英語でコメントを寄せている人がいます。
2回とも違う文章なので、もしかしたらスパムではなく本気かもしれないから、こちらにお返事を書きます。

次回書くつもりですが、仏教は思想であって、キリスト教やそのほかの信仰そのものを否定するものではありません。一人の中で共存は可能なのです。「般若心経」をAppleの創始者やジョン・レノンも愛読していたと聞きます。

私も英文はすこしわかりますが、あなたがもし本当に私の作品を読んでいるのなら、たどたどしくても日本語でコメントを書くはずです。私はそう推測します。

実は私も子供の頃は教会に行っていました。今も机の引き出しにはロザリオがあります。
ですので、キリスト教を説明するようなことはもうここではしないでください。
あなたのコメントについてはすでに拒否指定してあります。
以上

第1章 ルシャナ 4-5

4.苦しみと悲しみと

 人は、生まれた瞬間から、老・病・死の苦しみや喜怒哀楽の心の揺れと対面しなければならない。もしこれらのものに向き合わない人がいたとしたら、その人は却って幸福を知ることはないであろう。苦しみと悲しみとは、ただ逃れられない運命というだけではなく、やはり必要なものだと言わざるを得ない。
 しかし、苦しみや悲しみから救われる方法を、私たちは知ることができる。
 それは、苦しみにも悲しみにも、そのほかのいかなるものにも拘らぬ"静かで偉大な世界"を知り、同化し、そこから自分を見つめることだ。
 そうすることで、必ず何かが変わる。
 ただ坐し、視界を遮り、呼吸することによって、その感覚は意識されやすくなる。人によって簡単だったり困難だったりするが、慈悲と忍耐が手助けしてくれるであろう。
 
5.修行

 宇宙的な感覚は、短時間で目覚める人もあれば、ある程度の期間を要する人もいる。人それぞれの才覚によって異なるのである。
 たとえ短期間で何かが変化したと思っても、それが宇宙的感覚であるとは、誰にも断定することはできないので、修行は可能な限り続けなければならない。
 また修行は、ただ坐すことばかりでなく、歩く・立つ・走る・話す・書く・料理する・掃除するなど日常生活すべてに及ぶことをしっかり心に留めて生きるよう。

第1章 ルシャナ 1-3

第1章 ルシャナ

 そもそもルシャナとは何者であったのか。今日では、彼が語った言葉や多くの逸話が残されているだけである。

1.梅の木
 私は大きな梅の木がある家で育った。
 家は街道沿いにあったので、季節を問わず沢山の旅人が行き来し、時には私の家にも泊まったりもした。
 私はあるとき、梅の木に立ち止まる人、花を見て飽きぬ人、実がなっていれば家人に実をもらえないかと訊ねる人、はたまた梅には目もくれずにただ食べて寝て旅立っていくだけの人など、世の中にはさまざまな見方、考え方を持つ人々がいることに気が付いた。
 つまり人の数だけ、異なる考え方や価値観があるのだ。他の人が自分と違う考え方をしているからといって、それを理由に責めてはならない。自分もまた他の人から見れば「自分とは異なる存在」なのだ。ゆえに、人はみな互いに等しく同じなのである。

2.大庄屋と網元
 私は幼かった頃、よく方々の家に使いをしていた。
 あるとき、私は大庄屋の元に出向いた。彼はいつも「私の財産は莫大で、少しでも多くの人を幸せにしたいと思う」と言っているという。私は特に深く考えずに出向いたのだが、下男らしい者が出てきて素っ気なく包みを受け取っただけだった。ふと振り返ると、同じ男がたまたま私のすぐあとに来た身なりの良い大人には丁重な挨拶をして中に通していた。どうやら世間の噂だの評価だのといったものは、必ずしもその通りではないようだ。
 別の日、今度は網元のところへ行かされた。網元とは、漁師の元締めのことだが、大庄屋と比べても決して見劣りしない屋敷だった。
 私が行くと、あるじ自らが包みを受け取りに出てきて、「まぁ、茶でも飲んで行きな。」と言いながら私を右肩にひょいと担ぎ、左に荷物をぶら下げて家の中に入った。部屋は世界中の港の絵や民芸品で彩り豊かだった。
 「どうだい?みんなおいらが若いときに集めたものだぜ。ひとつひとつに友達との思い出が詰まってらぁ。」
 大庄屋と網元、さてこの二人のどちらが幸せな生き方をしていると思うだろう。

3.無垢なる者

 何も知らずに育ち、老いていく人も中にはいる。
 考えることも知らず、見渡すことも知らないため、すぐに見つかりそうな美しい花々にも気が付かない。それを無垢と呼ぶ人もいる。しかし、私には彼または彼女が不憫に思えて仕方がない。人の世の旅において深い悲しみや痛み苦しみに触れたとき、救いとなるべきものを、彼らは他のことと同じように“知らない“からである。
 それは大いなる宇宙の声、自然の理。時折坐して視界を閉じ、心を研ぎ澄ますことを通じて初めて得られる感覚でもある。

小説はじめました

「まるまど文学館」には小説もすでにいくつか載せておりますが、また書くことにしました。
タイトルは「ルシャナの仏国土」。これまで紡いできた物語を少しアレンジして作る予定で、少し長くなると思いますが、よろしければお付き合いください。ただ、作品が世に出るということは、その時点から作者の手を離れて独立してしまう不安を伴うようですね。(^^;)



ルシャナの仏国土

  序

 この物語はプレアデス星雲の中ほどにあるサルナート太陽系・第5惑星ルシアでの出来事である。

 この星の人類は、火と剣と弓の次に風力発電を発明、1200年ほど続いた戦乱の世を経て、惑星市民条約機関が設立された。
 同機関は、平和維持活動のため7つある大陸ごとに「皇帝」を置き、彼らの施政は常に市民議会の承認を常に受けなければならない、と決定した。また、剣と炎以外の武器を開発・使用・運搬することを例外なき禁止事項とした。

 ルシャナと名乗る人物が、世の人の「苦」を滅する教えを説いたのは、その10年後である。宇宙のすべてはそもそも平等であり、何ものにも拘らず、救いの光をおのおのの内面に見つめることによって、人は本当の幸せになれると説いた彼の言葉は、先述の惑星市民条約機関においても共感され、広く広められることとなった。

 彼の死から約300年が経った今日、人々は自らの星をこう呼ぶ・・・「ルシャナの仏国土」と。

  

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